ドンブラッコ
小田原の海人民宿くやまさんの空間

民宿のイメージを覆した空間
白で統一されたリビングは、清潔感があり、明るくて近代的。かつての「親戚の家みたい」な懐かしい雰囲気が売りの民宿とは違って、おしゃれな友達の家に来たみたいな感覚になる。あちこちに手作りの雑貨や布小物があり、オーナーのこだわりとあたたかさが感じられる。
民宿を営むために設計されたというこのお家は、一階フロア全体がお客さんのために解放された空間になっている。

緑がみえる団らんの客室
荷物を置いたり、布団を敷いたりするのはこの部屋。窓からはお庭の緑が見え、貝殻のシャンデリアが部屋の中を水面のようにきらきらと映し出す。小物が手作りだったり、照明がきらきらしていたり、細かいけどそういうところに女子は心を奪われる。
リビングの隅の棚には急須とお茶と給湯器が置いてあって、飲み物も自由に飲むことができる。ティッシュ箱がかかっている納戸の中にはアメニティ類が置かれていて、バスタオルもこの中にある。その横の広い押し入れの中には敷布団やシーツや布団が入っている。(布団の出し下ろしはセルフサービス)

ナチュラルでかわいらしい洗面所
水回りがきれいかどうかは民宿に泊まる上でかなり重要なチェックポイント。くやまさんは当然きれいであるどころか、こんなにもかわいらしい空間をつくりあげてしまっている。純粋に普通の家でここまでのクオリティを出せてしまうセンスに、もはや脱帽。
お風呂場は一般的な家庭の浴室だが、希望すれば近くのスーパー銭湯も案内してくれる。この場合、あまり遅い時間まで営業していないので入浴時間はオーナーさんと要相談。
今は感染症対策のために使い捨てペーパータオルが置いてある。

海とアートが交わる空間
リビングの一角にあるハンドメイド雑貨コーナーでは、海にまつわるかわいらしいアイテムが並べられている。同じ棚には小田原の海で拾った珍しい貝殻や、漁のさいに取れた珍しい生き物の骨などが展示されている。
海に対する深い愛情と、アートへの熱い情熱を感じられるスペースだ。

リビングから見える景色
周りが家に囲まれている土地でありながら、圧迫感を感じないで、爽やかな緑を眺めながら食事を楽しむことができるよう、設計に配慮がされている。それに、私が特に好きなのは、奥さんが出してくださる自家製ハーブティー。このお茶に使われるハーブも、このお庭で育てたハーブなんだとか。小さな幸せ自給自足できるのってなんか素敵ですよね。
さいごに・・・

暮らすこと・使うものにこだわることの豊かさを教えてくれるような空間。
なんとなくおしゃれなものをかき集めた個性の感じられない空間より、私は、その人のこだわりや個性を感じられる空間の方が好きだ。
人が営む民宿だからこそ与えられる「感動」というものがあると私は信じている。